第7回 プレミアム・セレクション
Adrian Fog エイドリアン・フォグ
オーナー:スチュアート・ドーマン
ワインメーカー: スチュアート・ドーマン
解説:エイドリアン・フォグは、ピノ・ノアールとはその場所の特徴を持つべきであり、また葡萄畑は素晴らしいワインを誕生させる場所であるべきだという考えのもと、誕生した。彼らの全ての葡萄畑はそれぞれの特徴により選ばれている。小さな葡萄畑から寒冷気候果実を手で選び取るということにより、エイドリアン・フォグは、葡萄畑の独自の特徴と個性を維持することができている。それぞれの葡萄畑は、沿岸の霧の傾向、クローンの違い、樹齢、太陽とつるの向きの関係などを考慮して選択されている。そして収穫、発酵、樽での熟成は、すべてのクローンとブロックを分けたまま行われる。このような熱心さにより、彼らはそれぞれのワインのニュアンスやスタイルを密接に学び、 理解することができるのである。エイドリアン・フォグのボトリングはワインの個性により決められ、最大でも330ケース、少量の場合は23ケースのみである。収穫、搾取、ボトリングは可能な限り満月の夜に近い日程でスケジュールされている。エイドリアン・フォグが太陰周期の影響を好み、享受していることを製造者達は見いだしているのである。よって、その魅惑的なエッセンスを十分に楽しむために満月の夜に飲むことを薦めている。
Buoncristiani Family Winery ブオンクリスチアー二・ファミリー・ワイナリー
設立年:1999
オーナー:ブオンクリスチアーニ・ブラザーズ(マット、ジエーソン、アーロン、ネート)
ワインメーカー:ジェーソン・ブオンクリスチアーニ
解説:情熱と献身をもって、プレミアムワインを全て手作りで醸造している、若手4人兄弟によるワイナリー。最高級を探求するために、慎重に葡萄畑のブロック選択と、慣行通りの正確な栽培を行い、固有のワイン作りのために最適な果物を収穫することに重点をおいている。最高品質のワインを提供するためには、果実を低収量収穫とし、濃厚でバランスのとれた味や品種を重視、畑でのストレスの制御を掲げる。葡萄が完全に成熟したのを舌で念入りに確認し、注意深く見守りながら、それぞれの有望な成分を調合して葡萄本来の可能性を畑からボトルへ移す。品種の特徴、優れた品質のバランスを維持した最適な複合品の生産に努めている。兄弟達は誇りを持って、ワイン醸造学の側面、葡萄栽培、ワイン生産、アート・デザインなどのすべてを手掛け、真のワイン造りの情熱を伝えている。彼らのモットーは量産ではなく品質であり、妥協することなく手作りのワインを作ることである。彼らの手だけで生産されているこれらの限定ワインは、一つ一つのバレル内の細部に至るまで細心の注意が払われている。
Collier Falls コリアー・フォールズ
設立年:1997
オーナー:バリー・コリアー
ワインメーカー:バリー・コリアー
解説:コリアー・フォールズは、カリフォルニア・ヒールズバーグの美しいドライ・クリーク・ヴァレーに位置している。ソノマ郡の持続可能農場20エーカーの葡萄畑から6種類の赤ワインを生産している。ワインのブランド名は、ジンファンデルを栽培している葡萄畑に隣接する滝から付けられた。
1997年に、バリーとスーザン・コリアーは、フェラーリ―カラーノ・ワイナリーから、この葡萄畑を購入し、コリアー・フォールズを設立した。初めて市場に出した1997年ジンファンデルがワイン・スペクテイターで90点の評価を得、2007年ジンファンデルは、ワイン&スピリッツで92点の評点を獲得した。
葡萄畑の丘は彼らの家、彼らの歴史と未来そのものであり、愛情をこめて一つ一つの葡萄の木を扱っている。その木々は彼らに素晴らしい果実を見返りに与え、ワイン生産地の真の味と特性を表現できるようなワインを生産させてくれている。
Flora Springs Winery フローラ・スプリングス・ワイナリー
設立年:1978
オーナー:パット・ガーベイ & ポール・スタイナウアー
ワインメーカー:ポール・スタイナウアー
解説:現在のフローラ・スプリングスからは想像もできないが、その荘厳な石造りの地下室は、かつて見捨てられた「幽霊」ワイナリーであった。数十年も放置されたままとなり、伸び放題の蔦や崩れかけていた岩壁に、フローラは隠れた魔法を見つけ出したのである。この土地でのワイン造りのルーツは19世紀にまで遡り、ジェリーとフローラの子供たち、ジョン・コムスと妻キャリー、そしてジュリー・ガーベイと夫のパット・ガーベイによって歴史は作られてきたのである。ナパ・ヴァレーの中心部に位置している、ラザフォード・アペラシオンのはるか北西の端のマカマス山脈のふもとに広がる土地が、フローラ・スプリングスである。1978年に設立されて以来、フローラ・スプリングスは30年以上家族事業として営まれている。ワイン職人と葡萄の生産者として両立している一家は、次の世代のための優れたワイン造りと、650エーカーの畑の管理に責任をもって取り組んでいる。今では、フローラ・スプリングスの90%の赤ワインは、有機栽培のブドウ畑から供給され、これらのワインのすべてが太陽発電使用した19世紀の石造りワイナリーと洞窟の中で造られている。ワイナリーで生まれ育った三世代目の現在の生産者、ナット・コムスとショーン・ガーベイは、誇りを持って祖父母のフローラとジェリーの伝統、改革の精神、コミュニティに対する価値観を基に、ワイナリーにおける方針を新時代の手造り製造法へと変えていくことに励んでいる。
Long Meadow Ranch ロング・メドウ・ランチ
設立年:1989
オーナー:テッド、ラディー,クリストファー・ホール
ワインメーカー: アシュレイ・ヘイジー
解説:テッド、ラディー、そしてクリストファー・ホールが所有するロング・メドウ・ランチは、シンプルで持続可能な統合された有機農業のシステムを採用している。農場の各部分は、農場全体の健全な状態に寄与する。葡萄畑とワイン醸造、オリーブ果樹園とオリーブオイル製造、牛と馬の繁殖などは、産卵家禽の群れと有機菜園同様に、補完的にすべてが上手く作用し合っている。すべての作物は、カリフォルニア有機農認証団体(CCOF)によって有機農作物として認定されており、除草剤、殺虫剤、または化学肥料を一切使用せずに栽培されている。
Moone-Tsai Vineyards ムーン・チャイ・ヴィンヤーズ
設立年:2007
オーナー:マイク・ムーン & メリー・アン・チャイ
ワインメーカー: フィリップ・メルカ
解説:ムーン・チャイ・ワインの発売は、共同設立者、マイク・ムーンとメリー・アン・チャイが、ワイン業界を共にした在職期間、特にベリンジャーでいくつかのカベルネに対する賞賛を得たことを通して、2人が共有したヴィジョンを達成した証であると言える。ムーン・チャイは、ナパ・ヴァレーの中で最も羨まがられる葡萄畑の区域において、優れた技巧において有名なフィリップ・メルカの協力を得て、その細やかさ、ストラクチャー、パワー、微妙なバランスによって特徴付けられる驚くべきカベルネとなった。これらの特徴は、選び抜かれたムーン・チャイのラベルであるライオン*に、貴族階級の担い手として、そしてもっとも重要なことには、各ボトルの卓越した中身の濃縮された優雅さを、反映させているのである。
*古代ギリシャ以来、ライオンが威厳、強さ、そして勇気の象徴となった。ローマ人は、同時にこの尊い考えに則り、ライオンをワインの神、バッカスの勇敢なる保護者として任命したのである。
設立年:1980
オーナー:デイヴィッド・マハフィー & ジョン・ニューメイヤー
ワインメーカー: デイヴィッド・マハフィー
解説:1980年に葡萄栽培を始めたワイン醸造業者のジョン・ニューメイヤーとワインメーカーのデイヴィッド・マハフィーは、共にハーバード大学で修士号を修得し、出会い、パートナーシップを組み、以降31年間に亘りワインを造り続けている。彼らは、1988年に比類のないアペレーションとして、そのアペレーション唯一のワイナリー、ワイルド・ホース・ヴァレーを設立した。
葡萄畑は、厳格なる有機基準により栽培され、ワインは全てエステート内で生産、そして葡萄畑の隣にあるカーヴ・ワイナリーで瓶詰めされる。葡萄畑全体とワイナリーの運営に必要な電力は全て太陽光発電によって賄われている。
Peju Province Winery ペジュ・プロヴィンス・ワイナリー
設立年:1983
オーナー:エルタ・ペジュ
ワインメーカー:サラ・ファウラー
解説:1983年トニー・ペジュはラザフォードに畑を購入、名前を「H・Bヴィンヤード」とした。土壌は深く排水が良く、他の畑よりも日照時間が長い。昼間と夜間の温度差も激しい。涼しい夜が葡萄をゆっくり成熟させ、タンニンを熟成させ、酸のバランスをよくしている。1990年、畑の植え替えが行われ、カベルネ・ソーヴィニヨンのほかに、メルロ、カベルネ・フランなどが植えられ、現在、ナパ・ヴァレーで卓越した畑になっている。その後、ポープ・ヴァレーにペルセポネー・ヴィンヤードを購入。ここはナパ・ヴァレーより標高が高く、冬寒く夏は暑い上、降水量が少ないが、幸い三つの池と二つの井戸があり水不足の心配はない。1997年にH・Bヴィンヤードから分枝したカベルネ・ソーヴィニヨンと、カベルネ・フラン、メルロ、シラー、プチ・ヴェルド、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ジンファンデルが植えられた。以後、ラザフォードの幾重にも重なる風味と、ポープ・ヴァレーの凝縮した風味がブレンドされ、複雑さと凝縮感を併せ持つ偉大なワインが誕生している。ラベルのペジュ・タワーはナパ・ヴァレーで最も高くユニーク。フランスの田舎を思わせる。
設立年:1997
オーナー:レンテリア・ファミリー
ワインメーカー:カレン・カラー
解説:レンテリア一族は、ナパ・カウンティーの1620エーカーの敷地と、そこに働く315人の従業員を管理する北カリフォルニア最大手の葡萄栽培企業の一つであるレンテリア・ヴィンヤード・マネージメントの経営者として知られている。一族は現在ナパに52エーカーの独自の葡萄畑も所有している。1997年に独自のレンテリア・ワインを生産し始め、毎年約2000ケースのカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールを生産する。現在、一族所有のMt.ヴィーダーにワイナリーを建設中で、カーヴはほぼ完成している。
サルバドール・レンテリアがスターリング・ヴィンヤードの葡萄畑の一労働者から指導者へと昇進した1963年に、全ては始まった。彼はナパ・ヴァレーの有名な葡萄畑の多くを監督して回り、名の通った多くのワインメーカーから尊敬されるようになった。高い需要とワインメーカーとしての評判をもとに、彼は、1987年、ついに葡萄畑の経営を始める。
世代交代により、父親の厳しい基準を受け継いだサルの息子オスカーが、1993年に、レンテリア・ヴィンヤード・マネージメントの指導権を握ることになる。ワイン造りは、オスカーのアイデアであった。 1997年の収穫から、オスカーは、ワインを造ることが彼らのビジネスの集大成となるのだと思っていた。ワインメーカーのカレン・カラーの助け、また彼らの類まれな果実の選別技能によって、一家のラベルのひとつであるサルバ・ティエラに加え、ヴィンヤード指定の数種類のレンテリア・ワインを提供できることとなったのである。
Roy Estate ロイ・エステート
設立年:2001
オーナー:シャーリー・ロイ
ワインメーカー:フィリップ・メルカ
解説: 異業種で大成したロイ夫妻が1999年プロゴルファー、ジョニー・ミラーの葡萄畑を購入後、数々の伝説の持ち主でワインコンサルタントのヘレン・ターリーにワイナリーの設計と葡萄畑の植え付けを依頼した。畑はヴァカ山脈の麓のソーダ・キャニオン・ロード沿いにある。サン・パブロ湾からの涼しい海風によって葡萄はゆっくり成熟する。冷涼な気候によって糖度が高くなりすぎる心配もなく、最適の糖度と風味を併せ持ち、酸と糖が完璧なバランスの葡萄を収穫できる。ワインメーカーはボルドー大学で葡萄栽培と醸造学を修め、シャトー・ペトリュス、シャトー・オー・ブリオンなどでワイン造りに関わってきたフィリップ・メルカ。ロイ・エステートで造られるワインは、新世界と旧世界の最高のもの。つまり、豊かな陽光に恵まれたカリフォルニアのすばらしい葡萄を使い、ワインはボルドー第一級シャトーのエレガンスとフィネスを兼ね備えている。ロバート・パーカーは、2004年の発売以来このワイナリーのロイ・エステート・プロプライアタリー・レッドとロイ・エステート・カベルネ・ソーヴィニヨンに94点から95点を与えている。
Somerston ソマーストン
設立年:2008
オーナー:アラン・チャップマン & クレイグ・ベッカー
ワインメーカー:クレイグ・ベッカー
解説:2004年、アラン・チャップマンは、プリースト・ランチと呼ばれる638エーカーの土地を購入し、2005年初頭に990エーカーのリンチ・ヴィンヤードと合わせて、現在ソマーストン・プロパティとして知られているエステートを築きあげた。この 1628エーカーのエステートには、200エーカー以上の持続可能な葡萄畑、ワイナリー、そして開発中の牧場や農場がある。その多様な土壌、微気候、照射は世界トップクラスの葡萄栽培に最適なものとなっている。2008年、チャップマンは、ワインメーカー兼ゼネラルマネージャーのクレイグ・ベッカーとソマーストン・ワイン・カンパニーを設立。その後、ハイフライヤー、プリースト・ランチ、ソマーストン ・ワインの3つのブランドをリリースし、計14,500ケースを生産した。そのうちソマーストン・ワインは、全てがエステートで栽培された葡萄のみから造りあげられ、1,500ケース限定生産となっている。